コードの検証
繋いだ手、はぐれないように
残り時間に出来ること
つよがりな君
後ろ暗い気持ちがないと言えばうそになる。 だが、ひとは時として理性よりも本能が、己が身体に命令を下す時もあるのだ。 それらの人間の神経系の伝達処理は、仮想空間とて仕組みは変わらない。生身の身体がアバターになるだけだ。 そして、アスナにとっ…
小説 キリアス ソードアート・オンラインおにごっこ
「鬼ごっこしよっか、キリト君」 「…………へ?」 陽光眩しい高秋の空の下、アスナは満面の笑みでそう提案する。一方の俺は、頭上に疑問符を並べることしか出来なかった……。 SAOのカウンセリングプログラムであるAIにして俺たちの娘、ユイと別れ…
小説 キリアス ソードアート・オンライン黒の眠り姫
群青が空高く広がっている。 穏やかな風。ざわめく木々。木陰に隠れる生き物たちの気配。それらすべてが明日奈に『秋』を知覚させる。 午前の授業を終えた明日奈は、籐かごを片手に中庭へと向かっていた。良好な気象設定が頻発するこの季節であるが、今日…
小説 キリアス ソードアート・オンライン生きる誓い
「だからさー、ここで重心を少し前にして……」 「でもそうすると、システムがモーションを認知しなくなるんじゃないか?」 「そんなの気合いでどーにかすんの!」 「そんな大雑把な……」 漆黒の剣と藍紫の剣をぶんぶん振り回し語らい合うキリトとユウ…
小説 キリアス ソードアート・オンライン ユウキ雨宿り
雨だ。 バケツをひっくり返したような、雨。 雨にも五月雨とか時雨とかにわか雨とかいろんな種類があるが、これは一般的に「ゲリラ豪雨」と呼ばれ忌避されているやつだった。 ゲリラ豪雨――積乱雲の発生による突発的で、局地的な大雨。非常に予想困難で…
小説 キリアス ソードアート・オンライン三十八.五
「もーっ、キリト君ってばー!」「ああぁぁ…………」短い攻防戦の末、悲痛な声を上げた俺の両手から明日奈がアミュスフィアを無慈悲に取り上げた。悲しみに打ちひしがれ、泣きそうになるのをぐっとこらえる。明日奈はそんな不安定な俺の様子にツッコみも入れ…
小説 キリアス ソードアート・オンラインもこもこでふわふわなふたり
もこ…… アバターに伝わるふんわりとした、けれど確かな圧迫感に寝苦しさを覚えて目が覚める。 カルルインの街に聳える古城で謎の黒ポンチョの男に襲われて数日。俺は半強制的に暫定パートナーのアスナと同室のスイートに宿泊するようになっていた。もち…
小説 キリアス ソードアート・オンライン